• 2026年6月18日
  • 2026年6月20日

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の方を主な対象とした、帯状疱疹の発症や重症化、および合併症である帯状疱疹後神経痛(PHN)を予防するための予防接種です。

  1. 帯状疱疹とは? 
  2. なぜ帯状疱疹の予防が重要なの?
  3. ワクチンの種類と各ワクチンの比較
  4. 2026年度の定期接種制度と費用
  5. ワクチンを選ぶ際のポイント
  6. 当院での帯状疱疹ワクチン接種の流れ
  7. よくある質問

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、子供の頃にかかった水痘(水ぼうそう)と同じウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で起こる皮膚疾患です。

水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。加齢、疲労、ストレス、病気などによる免疫力の低下に伴い、ウイルスが再び活性化することで発症します。

日本人成人の9割以上が体内にこのウイルスを保有しており、誰もが発症するリスクがあります。日本では毎年約60万人が発症し、80歳までに約3人に1人が経験すると推定されています。

皮膚の痛みや違和感(ピリピリ・チクチク感)が前触れとして現れます。

その後、神経の分布に沿って赤い発疹や水ぶくれが体の片側に帯状に現れます。

通常、症状は3~4週間ほど続きます。

なぜ帯状疱疹の予防なの?

帯状疱疹の予防が重要とされる主な理由は、発症時の激しい痛みだけでなく、皮膚症状が治った後も長期間続く深刻な後遺症を避けるためです。

主な理由は以下の通りです。

深刻な後遺症「帯状疱疹後神経痛(PHN)」を防ぐため

帯状疱疹の最大の懸念は、皮膚の症状(発疹や水ぶくれ)が治った後も、数か月から数年にわたって激しい痛みが続く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」です。

発症頻度: 帯状疱疹にかかった人の10%〜50%がPHNに移行すると言われています。

痛みの強さ:「夜も眠れないほど」と表現されるような激しい痛みが続くことがあり、日常生活に大きな支障をきたします。

年齢によるリスク: 高齢になればなるほど、このPHNに移行する可能性が高くなります。

他の重篤な合併症のリスクを避けるため

痛み以外にも、発症部位によっては以下のような深刻な合併症を引き起こすことがあります。

視力・聴力への影響::顔面や目の周り、耳の神経に影響が出ると、めまい、耳鳴り、視力低下などを引き起こすことがあります。

ラムゼイハント症候群:顔面神経麻痺が生じ、顔の動きに影響が出ることがあります。

治療には限界があるため

発症後は抗ウイルス薬による治療が行われますが、発疹が出てから72時間以内に開始しなければ効果が限定的です。また、一度PHN(神経痛)になってしまうと、根本的な治療法がないため、事前のワクチン接種による「予防」が極めて重要となります。

ワクチンの高い予防効果

ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症そのものを防ぐ(不活化ワクチンでは90%以上の予防効果)だけでなく、万が一発症した場合でも重症化を予防し、PHNになるリスクを大幅に下げることが期待できます。

副反応について

ワクチン接種後、数日以内に以下のような症状が現れることがありますが、多くは一時的なものです。

共通: 接種部位の痛み、赤み、腫れ。

不活化ワクチン(多め): 筋肉痛、疲労、頭痛、発熱、悪寒、胃腸症状。これは体の中で強い免疫を作ろうとする反応(免疫応答)によるものとされています。

ワクチンの種類と各ワクチンの比較

日本で使用できる帯状疱疹ワクチンには、「生ワクチン(ビケン)」と「不活化ワクチン(シングリックス)」の2種類があります。

生ワクチン(ビケン)の特徴

生ワクチン(ビケン)は、病原性を弱めた生きたウイルスを使用したワクチンです。2016年から帯状疱疹予防としても認可されました。

接種は1回で済み、費用も比較的安価なため接種しやすいことが特徴です。一方で、予防効果はシングリックスより低く、時間の経過とともに効果が低下しやすいことが知られています。

また、生ワクチンであるため、免疫抑制剤を使用している方や免疫機能が低下している方には接種できません。

不活化ワクチン(シングリックス)の特徴

不活化ワクチン(シングリックス)は、ウイルスの表面タンパク質を使用した新しいタイプのワクチンで、2020年に接種可能となりました。

帯状疱疹の発症予防効果は90%以上と非常に高く、帯状疱疹後神経痛の予防効果も高いことが確認されています。効果は10年以上持続すると考えられています。

また、不活化ワクチンのため、免疫が低下している方にも接種可能です。

一方で、接種部位の痛みや腫れ、発熱、倦怠感、筋肉痛などの副反応が比較的起こりやすいことが知られています。多くの場合は数日以内に改善します。

以下に、両ワクチンの主な比較内容をまとめます。

帯状疱疹ワクチンの比較のまとめ表

比較項目生ワクチン
(ビケン)
不活化ワクチン
(シングリックス)
ワクチンの種類病原性を弱めた生のウイルスウイルスの一部を使用した不活化ワクチン
接種回数1回2回
(2か月〜6か月間隔)
接種方法皮下注射筋肉内注射
予防効果50〜60%程度90%以上
(50歳以上で97.2%)
効果の持続5年程度(徐々に低下)10年以上持続することが確認されている
PHN予防効果60歳以上で約66.5%90%以上
(70歳以上で85.5%)
免疫が低下している方接種できない接種可能
主な副反応
(痛み、腫れ、発熱、倦怠感、筋肉痛など)
比較的少ない
(注射部位の痛み、赤みなど)
出やすい

2026年度の定期接種制度と費用

公的助成と定期接種制度

2025年(令和7年)4月1日より、帯状疱疹ワクチンは予防接種法に基づく定期接種(B類疾病)となりました。これに伴い、姫路市が独自に行っていた「任意予防接種」への4000円の費用助成は、2026年3月31日をもって終了しています。

定期接種の対象者

原則として65歳の方。

経過措置として、2029年度(令和11年度)までは、その年度に70、75、80、85、90、95、100歳になる方も対象です。

姫路市にお住まいの方の接種費用(本人負担額)

ワクチンの種類接種区分自己負担額(税込)
生ワクチン
(ビケン)
定期接種
(公費助成あり)
4,000円
市民税非課税世帯 2,000円
生活保護世帯 無料
生ワクチン
(ビケン)
任意接種8,000円
不活化ワクチン
(シングリックス)
定期接種
(公費助成あり)
17,000円
市民税非課税世帯 8,000円
生活保護世帯 無料
不活化ワクチン
(シングリックス)
任意接種2,2000円
  • 不活化ワクチン(シングリックス)は2回接種が必要なため、一般世帯の合計負担額は34,000円となります。
  • 非課税世帯や生活保護世帯の方は、介護保険料納付通知書や生活保護適用証明書などの提示が必要です。

詳しくは、姫路市のホームページをご参照ください

【定期接種】帯状疱疹予防接種

https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000029986.html

ワクチンを選ぶ際のポイント

生ワクチン(ビケン)」と「不活化ワクチン(シングリックス)」の2種類があり、効果、持続期間、費用、副反応などが大きく異なります。どちらを選ぶかは、ご自身の健康状態や優先したい項目(効果の高さか、費用の安さかなど)によって決まります。

選ぶ際の主なポイントは以下の通りです。

 予防効果と持続期間で選ぶ

  • 高い予防効果を重視する場合:シングリックス
    50歳以上で約97%、70歳以上でも約90%以上の極めて高い発症予防効果があります。また、後遺症である帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防効果も非常に高いのが特徴です。
  • 効果の持続期間を重視する場合:シングリックス
    10年後でも高い予防効果が維持されることが確認されています。一方、生ワクチン(ビケン)は接種後5年程度で効果が低下し始め、8年目以降には大幅に弱まるという報告があります。

健康状態(持病や治療)で選ぶ

  • 免疫が低下している方:シングリックス
    生ワクチン(ビケン)は病原性を弱めた「生きたウイルス」を使用しているため、免疫抑制剤を使用中の方や、癌・HIV治療などで免疫機能が低下している方は接種できません。不活化ワクチンであるシングリックスは、免疫が低下した方でも接種可能です。

費用と接種回数で選ぶ

  • 費用を抑えたい、1回で済ませたい場合:生ワクチン(ビケン)
    接種は1回で済み、費用も安価です。
    シングリックスの場合: 2回の接種が必要で、任意接種の場合は合計で4万〜6万円程度と高額になります。ただし、姫路市の定期接種を利用すれば、一般世帯の自己負担額は1回17,000円(合計34,000円)まで軽減されます。

副反応の程度で選ぶ

  • 副反応の少なさを重視する場合:生ワクチン(ビケン)  
    シングリックスに比べ、接種部位の痛みや発熱などの副反応は少ない傾向にあります。
    シングリックスの副反応 強い免疫を作る反応として、接種部位の痛み、腫れ、発熱、倦怠感などが高頻度(多くの方)に現れます。通常は3日〜7日以内に改善しますが、接種後のスケジュールに余裕を持って選ぶ必要があります。

なお、これら2種類のワクチンの交互接種(1回目と2回目で異なるワクチンを打つこと)は認められていません。また、過去に帯状疱疹にかかったことがある方でも、再発予防としてどちらのワクチンも接種可能です。

当院での帯状疱疹ワクチン接種について

当院では、生ワクチン(ビケン)不活化ワクチン(シングリックス)を取り扱っています。

当院の帯状疱疹ワクチン接種は完全予約制です。接種をご希望の方は、まずご予約をお願いいたします。ご予約の際に、接種を希望されるワクチンをお伝えください。当院ではワクチンを予約後に取り寄せています。そのため、申し込み当日の接種はできません

ご予約日に、予防接種券・予診票・本人確認書類・お薬手帳をご持参ください。非課税・生活保護世帯の方は無料証明書類もお忘れなくご持参ください。医師による問診・説明の後にワクチンを接種します。接種後は体調確認のため、院内で15分〜30分しばらく院内で様子を見ていただきます。体調に問題なければご帰宅いただけます。

よくある質問

Q. 過去に帯状疱疹にかかったことがあっても、ワクチンを接種できますか?

はい、帯状疱疹は一度かかっても再発する可能性があるため、過去に罹患したことがある方でも、対象者であれば定期接種や助成を受けて接種することが可能です。

Q. 水ぼうそう(水痘)にかかったか不明な場合は? 

成人の9割以上はウイルスを体内に保有している既感染者と言われており、一般的には抗体検査で免疫を確かめることなく接種しても差し支えありません。もし一度も水ぼうそうにかかったことがない人は帯状疱疹にはなりませんが、大人が水ぼうそうにかかると重症化しやすいため、水ぼうそう予防としての接種が推奨されます。

Q. なぜ「50歳以上」が対象なのですか? 

帯状疱疹の発症率は50歳代から急激に高くなり、80歳までに約3人に1人が罹患すると推定されているため、50歳以上の成人を対象として承認されています。

Q. シングリックスの2回目はいつ打てばよいですか?

通常は1回目から2か月あけて接種します。定期接種の期間内に完了させる必要があるため、令和8年度対象者でシングリックスを希望する場合は、遅くとも令和9年1月末までに1回目を接種することが強く推奨されています。

Q. 他のワクチンとの接種間隔はどうすればよいですか?

新型コロナワクチンとは前後2週間あける必要があります。インフルエンザや肺炎球菌などの不活化ワクチンとの同時接種は医師が必要と認めた場合に可能ですが、副反応の判断をしやすくするために1週間程度あけることが推奨される場合もあります。なお、生ワクチン(ビケン)を接種した後に他の生ワクチンを打つ場合は、27日以上の間隔が必要です

Q. 姫路市の定期接種制度と費用について

姫路市のホームページをご参照ください

https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000029986.html

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